TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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私、ヒトじゃないけれど。
一緒にいても、いいですか?
一緒にいても、いいですか?
・・・
「………」
マヨイガの戦いも終結し、能力者達が身体を休める頃。少女は一人、少し外れた場所で舞い続けていた。
無心に、ただ無心に。
舞い始めた時こそ、眠れぬ魂を想い舞っていた。しかし今は、何を考えていいのか分からず―否、あることを考えるのが怖くて、ただ無心に舞っている。
しかし、それも長くは続かない。
「あっ…」
疲れた身体が、長時間の舞に耐えられる筈もなく。不意に折れた膝につられるように姿勢が崩れ、少女は芝生にその身を投げ出した。
「…はあ、はあ…」
仰向けに転がり、空を見上げながら息を整える。六月の終わりであるが空は晴れ、優しく瞬く星々が見える。
「ふう…」
呼吸が落ち着くと、何となく頭が冴えてきて―封じていた考えが、頭を過ぎる。
「…私―」
―役に立てたのかな。
―迷惑じゃ、なかったかな。
―一緒にいて、よかったのかな―
「―はあ…」
ため息が出る。
何故自分は、こんなにネガティブに考えているのだろう?
一緒にいて、よかったのか―その答えは、分かり切っている。
この学園には、多くの妖狐―それどころか、多くの来訪者が集い、人間の能力者と共にある。人間の能力者の中には、自ら進んで来訪者の力を取り込む者もいる。今日の戦争で、それを実感した。
それだけじゃない。学園には、一般人も多数いる。彼らは―運命予報士を除けば―非日常的な力を欠片も持たないような、それこそ自分たちと一線を画すような存在なのに―それでも、一枚のカードが、彼らと自分たちの絆を繋げている。
深く考える必要はない。元から許されているのだから―垣根など、無いのだ。
「…よし」
役に立てなかったなら、これから役に立とう。
迷惑だったなら、これから迷惑をかけないようにしよう。
今よりもっと、共にあるのに相応しくなろう。
それで良いじゃないか。
「…さて、と」
立ち上がり、埃を払う。
「今再び…力を」
起動。
民族衣装が身を包み、手元には機銃を内蔵した―そう考えると物騒な―弦楽器が現れる。
「―散って逝った友の為」
テン、と弦が鳴る。
「―迷いから逃れた魂の為」
楽器を掲げ、くるりと回る。
「―今はただ、この舞を」
器用に、抱えた弦楽器を鳴らしながら舞う少女。
ふわりと踊る衣装に包まれた彼女は、まるで小さな花のようだった。
もし、自分がヒトじゃなかったら?
もし、自分の信じていたものが、虚像だったら?
―でも。
もし、そんな自分をも受け入れてくれたなら。
もし、ヒトでなくても、傍にいて良いのなら。
「………」
マヨイガの戦いも終結し、能力者達が身体を休める頃。少女は一人、少し外れた場所で舞い続けていた。
無心に、ただ無心に。
舞い始めた時こそ、眠れぬ魂を想い舞っていた。しかし今は、何を考えていいのか分からず―否、あることを考えるのが怖くて、ただ無心に舞っている。
しかし、それも長くは続かない。
「あっ…」
疲れた身体が、長時間の舞に耐えられる筈もなく。不意に折れた膝につられるように姿勢が崩れ、少女は芝生にその身を投げ出した。
「…はあ、はあ…」
仰向けに転がり、空を見上げながら息を整える。六月の終わりであるが空は晴れ、優しく瞬く星々が見える。
「ふう…」
呼吸が落ち着くと、何となく頭が冴えてきて―封じていた考えが、頭を過ぎる。
「…私―」
―役に立てたのかな。
―迷惑じゃ、なかったかな。
―一緒にいて、よかったのかな―
「―はあ…」
ため息が出る。
何故自分は、こんなにネガティブに考えているのだろう?
一緒にいて、よかったのか―その答えは、分かり切っている。
この学園には、多くの妖狐―それどころか、多くの来訪者が集い、人間の能力者と共にある。人間の能力者の中には、自ら進んで来訪者の力を取り込む者もいる。今日の戦争で、それを実感した。
それだけじゃない。学園には、一般人も多数いる。彼らは―運命予報士を除けば―非日常的な力を欠片も持たないような、それこそ自分たちと一線を画すような存在なのに―それでも、一枚のカードが、彼らと自分たちの絆を繋げている。
深く考える必要はない。元から許されているのだから―垣根など、無いのだ。
「…よし」
役に立てなかったなら、これから役に立とう。
迷惑だったなら、これから迷惑をかけないようにしよう。
今よりもっと、共にあるのに相応しくなろう。
それで良いじゃないか。
「…さて、と」
立ち上がり、埃を払う。
「今再び…力を」
起動。
民族衣装が身を包み、手元には機銃を内蔵した―そう考えると物騒な―弦楽器が現れる。
「―散って逝った友の為」
テン、と弦が鳴る。
「―迷いから逃れた魂の為」
楽器を掲げ、くるりと回る。
「―今はただ、この舞を」
器用に、抱えた弦楽器を鳴らしながら舞う少女。
ふわりと踊る衣装に包まれた彼女は、まるで小さな花のようだった。
もし、自分がヒトじゃなかったら?
もし、自分の信じていたものが、虚像だったら?
―でも。
もし、そんな自分をも受け入れてくれたなら。
もし、ヒトでなくても、傍にいて良いのなら。
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ここの管理人
HN:
蛍月
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男性
自己紹介:
このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。
イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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