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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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俺は戦う。
幾千、幾万倒れても。

・・・

「……」
 どことも知れぬ山中、古ぼけた小さな寺の裏。地面に突き立てられた刀の前に、鋼誠は居た。
「…なあ。お前の気持ち、分かった気がする。
 俺がそうしたくて動いたように、お前も俺の事、護ってくれたんだな…」
 鋼誠は不意に、自嘲気味な笑みをこぼした。
「…笑っちまうよな。俺もお前も…相手を護りたくて、飛び出して。
 それで敵にボコボコにされて…俺な、今回下手すりゃ死んでたんだぜ」
 戦場での記憶が甦る。
 ナイトメアビーストの悪夢爆弾に、ナイトメアランページ。幾度となく蹂躙され、傷つき―重傷か、生命賛歌が無ければ命を落としていたかも知れない。
「…結局最後は重傷さ。俺、きちんとアイツの事…護ってやれたんかね…」
 暫し、無言。そして鋼誠はふと立ち上がり、自身の力をカードから呼び出す。
「………」
 寺の裏、さらに奥の方。それほど大きくはないものの、頑丈そうな岩が転がっている。
「…はっ!」
 呼び出した霧が、もう一人の鋼誠の姿を形作る。写し身は岩の後ろに回ると、本体と共に掌底を突き出す。
「どぉりゃっ!」
 手のひらに凝縮された水のエネルギーが、前後から岩に叩きこまれる。岩が震え、地鳴りのような音が響く。
「シッ!」
 写し身が自身の近くに戻ると同時、鋼誠は飛びあがる。そして、
「…おおおおおおッ!!」
紅蓮の炎に包まれた武器が、渾身の力で叩きこまれた。

 ―バガアッ!と派手な音を立てた割には、岩は何事も無かったかのように、平然と佇んでいた。
 起動を解いた鋼誠は、岩を暫く見据えていたが…やがて、諦めたようにふう、と溜息をついた。
「駄目だな…今のままじゃ、全然駄目だ」
 鋼誠は空を仰ぐ。今頃は彼女も、この空を見ているのだろうか。
「俺は、まだまだ己を磨かなきゃいけねえ。
 斃れない為に。護る為に。真に強くある為に―」
 踵を返す鋼誠。墓標代わりの刀に一礼すると、そのまま山を後にした。

 ―少しして、真っ二つに割れた岩が、大きな音を立てて倒れる。彼は、果たしてそれに気付いたのだろうか―

 強さ、とは何であろうか。
 力、技、心…それらは指標であり、直接の強さではない。
 では、真の強さとは何であろうか。
 彼はきっと、答えを―
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このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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