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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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―そして。
その日は、来た―

・・・

 犯人を追うのは簡単だった。向こうもまた、生き残った薫達を狙っていたからだ。
 時に追い、時に逃げ―最終的に辿り着いたのは、廃墟と化し、解体待ちのビルの最上階。
 そこには、誰の姿も、気配も無いが―
「―お前だよな。爺ちゃんに父さん、母さんを殺ったの」
 兄の言葉に、背後の入り口から一人の男が現れる。
「あ…あなたは…」
 相手の顔を見て驚きを隠せない薫。
 兄が指摘した犯人は、門下生の父親。中でも、家族ぐるみで親しくしていた、優しげな人。
「…仇打ち、というわけかい?」
 男は溜息をつく。
「分かってるだろ、君たちじゃ私に勝てない。…無謀な私闘なんて、親御さんが知ったら悲しむんじゃないかな?」
「悲しむのは同じだ」
 兄の言葉に、冷たいナイフのような意思が滲む。
「遅かれ早かれ、お前は俺も薫も殺すつもりだっただろう?」
「つれないね、事の次第によったかも知れないのに」
 肩を竦める男の目が、獲物を狙う猛禽のように細められる。
「まあ、もう手遅れ…か」

 張り詰める空気。
 均衡を破ったのは―闖入者。

『ウルサイィィィィィィィィィ!!』
 何が起こったのか、よく分からなかった。
 薫の目の前で、相対していた兄と男が、刹那の間に炎に包まれ、跳ね飛ばされる。
 何か、通り過ぎた―ようやくそう認識して炎の軌跡を辿ると、視線の先に居たのは、正に異形…醜く歪んだ中年男性の顔が中央に付いた、火に包まれた大きな車輪。
『ココ、ワガヤ!ウルサクスル、ユルサナイ!』
 喚き散らす車輪。呆気にとられていた薫は、ようやく一つの事実を思い出す。
「…っ!アニキ!」
 兄も、男も、炎に包まれた塊のようになって、動かない。跳ねられた衝撃が強く、ほぼ即死だったらしい。
「…そん、な…」
 立ちすくむ薫。一瞬のうちに様々な事が起こりすぎて、思考が追いつかない。
 そして―

『オマエモ、ワガヤアラスカ!ユルサナイ!』

 車輪の標的に、薫が選ばれた。

(つづく)
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このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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