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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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さあ、行こう。
皆で、彼を救うんだ。

・・・


Scene0. 赤く紅く緋い夢

 ――ハロウィンも近いし、神社でパーティーとお泊まり会なんて、どう?
 元来賑やかな事が好きな彼は、是非も無しと言わんばかりにすぐに企画に乗っかった。
 そして、夜。
 皆で盛り上がったパーティーも終わり、もう1つの目的を果たす時が来た……

「皆さん、準備はよろしいですか?」
 学園に分けてもらったティンカーベルの粉を手にした眞我妻・姫香(飯綱渡りの鬼鋏・b76235)が、眠る彼と集まった面々の顔を見て問いかける。

 姫香の言葉に、強い意志のこもった視線を返し頷く嘉凪・綾乃(緋楼蘭・b65487)。
 その傍ら、彼の境遇に特殊な思いを抱え立つ功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)。
 一方、冷静に自分の取るべき行動を確認する嘉凪・久臣(竜神の蒼き衛士・b67229)。
 更に、大切な人を傷つけられた怒りに震える渡会・綾乃(鬼鋼蜘蛛の巫女・b74204)。
 そんな彼女の、そして友人の為戦う意思を固めた神谷・恭一(蒼の風に舞う羽・b73549)。
 そして、静かにその時を待つフォア・トンユエ(正しき闇の導き手・b61331)。

 そこに居る誰もが、迷い無く一人の仲間を救おうとしている。
「……ありがとうございます。では、参りましょう」
 姫香が粉を振るい、各々が彼の夢へと潜る。

 赤く、紅く、緋い夢へと。



「……これは……」
 誰にともなく呟き、思わず口を覆う者もいた。
 破壊と虐殺の暴風雨が過ぎ去った痕。立ちこめる煙と臭い、響く絶望の不協和音――夢の中にしては生々しく、現実にしてはとても信じられない、そんな光景が目の前に広がる。

 赤く紅く緋い、煉獄の夢。
 こんな夢を、彼は毎日見続けていたというのか。

「……想像以上だな」
「急ごう、いつまでもこれでは彼がもたない」
 彼らは、事前に決めた持ち場へと走る。その先の救いを信じて。



Scene1. 怯え震え逃げる者

 ――ニゲロ!ニゲロ!

「……そ、そうだ……逃げ、ないと……」
 少年は気を失っていたが、やがて目覚めると向こう側に同じく起き上がる影を確認し、頭に聞こえた声に従いその場から逃げようとした。しかし、身体は恐怖でこわばり言う事をきかず、動く事もままならない。
 そこに現れたのは、嘉凪・綾乃、久臣、フォアの3人である。
「大丈夫ですか?何がありましたの?」
「ひっ……」
 フォアは優しく声をかけるが、それにすら少年は怯え逃げようとする。
「お願い、危害は加えないから話を聞いて」
 嘉凪・綾乃は持っていた武器をその場に放棄し、しゃがみ込んで少年と視線を合わせる。その一方で久臣はさりげなく少年の背後から間合いを詰め、何があっても対応できるように備える。
「一体何があったの?あなたはどこに逃げようとしているの?」
 一応落ち着いたらしい少年に、嘉凪・綾乃が改めて声をかける。だが、
「ど、どこでもいいんだ。とにかく逃げないと、危ないんだ」
と、少年の話はどうにも要領を得ない。
「危ない?何が危ないのですか?」
「アイツ、今凄く危ないんだ。早く逃げないと、俺たちも巻き込まれちまう」
 警戒を解かず、冷静に問いかけるフォア。しかし今一つ変化の無い少年の反応に、久臣がまあ落ち着け、と口をはさむ。
「アンタが何から逃げたいのか、どこに逃げたいのか俺達は分からない。このままじゃ俺達もアンタを信用できないだろ?」
「で、でも……」
「ああもう!」
 あまりに煮えきらない少年の反応に、嘉凪・綾乃が激昂する。
「そんなに逃げたいなら、今は立ち向かいなさいよ!逃げて悩みや恐怖が解決すると思うな!」
「ひっ!」
 一喝の必死さが仇となったか、少年は更に怯えてしまう。その状況を見かねたフォアが、嘉凪・綾乃と少年の双方を宥める。
「落ち着いてください。……あなたも、落ち着いて」
 必死さは時に混乱を増長するが、今回は3人のうち2人があくまで冷静な対応を心掛けたため、上手くバランスがとれたと言えるだろう。
「逃げるのも大事だけど、今はその時じゃないと思うぜ?」
「そうですわ。……教えてください。あなたは、どうしたいのですか?わたくし達は、どうお役に立てますの?」
 3人の真摯な姿勢に、ようやく少年が口を開く。
「……アイツ、自分を見失ってる。俺、アイツを止めたいんだ……でも、俺には……」
 その言葉に、嘉凪・綾乃も少し笑みを見せる。
「やっと話してくれたわね。……なら行きましょう、あなたが立ち向かう事に意味があるの」
 少しの間の後、身体を縛っていた恐怖も薄らいだらしく、少年は自力で立ち上がると、もう一人の影の方へ向かい、歩み始めた。
「ありがとう。……頼む、ついて来てくれ!」
 その言葉に偽りはなさそうだ、と判断した3人は、少年について仲間の元に向かった。

Scene2. 燃やし壊し殺す者

「……くっ、もう目覚めていたか」
 ゆらりと立ち上がった眼前の少年に伊知郎は一つ舌打ちをし、瞬時に距離を詰めると顎下への打撃を狙う。
「うあっ!?」
 だが、いかに寝起きに近い状態と言えど、能力者――もとい、来訪者相手への特定部位を狙った攻撃は難しかったらしく、伊知郎の攻撃は顎を掠めるに留まる。
「――かわされた!何とか、動きを止めないと……!」
 続けざま、恭一が詠唱兵器に現れたエネルギーの弦をかき鳴らす。しかし、それも上手く決まらず、動きを封じるには至らない。
「ま、待ってくれ!?お前らは一体……う、ぐあっ……」

――コロセ!コロセ!

 一瞬慌てた素振りを見せた少年は、不意に頭を抱え苦しみ出す。彼の頭の中では、例の破壊を促す声が聞こえていたのだが、相対する能力者はそれに感づいていただろうか。
「う、あああああっ!!」
 不意に叫び声をあげ、赤手を振り回す少年。一般的なものより小型のそれは、見た目にそぐわない程明確な殺意を放ち振るわれる。
「むっ……」
「功刀先輩!」
 少年の一撃を伊知郎が長剣で受け止め、そこを狙って渡会・綾乃の牙道砲が放たれる。それに合わせるように、姫香の蹴りが三日月の軌跡を描いた。
「ぐっ……があっ!」
 決定打とはならなかったものの、牽制としては効果があったらしく、少年は伊知郎の剣から赤手の爪を離し、一歩引く。
「……何でしょう、様子がおかしいような……」
「ああ。何とか捕獲して、できれば事情を訊き出したいところだが」
 姫香の言葉に伊知郎も賛同し、防御の構えを取りつつも相手の動きを封じるべく、攻撃の隙を窺う。
 その時だ。
「待ってくれ!頼む、ソイツを殺さないでくれ!」
 不意に聞こえた聞き慣れない声に、その場の全員が一瞬気を取られる。――そう、相対する少年もまた。
「今だ!」
 一瞬の隙をつき、すかさず恭一がクライシスビートを奏でると、少年が「がっ!」と短く呻き、その場に膝をつく。
「……効いたみたいね」
 渡会・綾乃は一息つくと、駆け寄ってきたもう1人の少年の後ろに、3人の仲間がいる事に気がついた。
「皆!……と、いう事は……」
 そう、2人の土蜘蛛はここに揃った。後は、事情を訊くだけである。



「……よく分からないけど、操られているみたいなんだ」
「操られている?」
「ああ……何かお偉いさんが変な呪文みたいなの唱えたら、急にぼんやりした目になって……それで、この村を片っ端から……」
 震えながら事情を話す少年。その言葉に、ふと2人の綾乃が視線を合わせる。そして互いに頷くと立ちあがり、揃って赦しと慈愛を込めた舞を舞う。
 案の定と言うべきか、身体の痺れと共に身を支配する狂気から解放されたらしい少年が、頭を軽く振って呻く。恐らく、「操られている」というのは魅了か何かに近い状態だったのだろう。
「声が、消えた……俺は、一体……」
「アニキ!」
 鬼面を外し周囲の状況を確認する少年に、もう1人の少年が飛びつく。
「……アニキ?」
「ご兄弟、ですの?」
 さすがに予想外だった面々は、それぞれに面食らった顔をする。一方そんな事にお構いなしの少年は、興奮した様子で続ける。
「アニキ、良かった!正気に戻ったんだな!……ありがとう、皆のおかげだ!」
 笑顔ではしゃぐ少年と、いまだに事情を掴めていない少年。そんな2人の様子を見て、安堵のため息をつく面々であったが――

「――ちょろっとー?人が折角料理中だってのに、何邪魔してくれちゃってんのー?」

Scene3. 嗤い喰らい愉しむ者

「――!!」
 その場にそぐわない、軽薄な声。しかし、それがこの場の仲間と2人の少年、そのいずれのものでない事は明白であり、場の緊張感が急激に高まる。
「……おまえは?」
「え、名乗んなきゃダメ?つーかおたくらこそどちら様よ、人に名前訊く時はまず自己紹介でしょー?」
 赤い風景の中から、青年が現れた。青年のいちいち癇に障るその口調に、能力者達の間に徐々に苛立ちが募る。
「……あなたですか?鋼誠様の夢を侵しているのは」
「ありゃ、正体バレてんじゃん。ただ侵してるとは心外だなあ、俺は料理してるだけ」
「……料理?」
「そ。じゃあ折角だし教えちゃおうかな?お察しの通り俺はおたくらが言うところの夢魔、こうして人の夢に入り込んでな、その人を料理して喰うのさ。その料理ってのも、要はトラウマ利用して弱らせるって寸法よ」
 頼みもしないのに、夢魔を名乗る者はべらべらとよく喋る。しかもその一言一言が、こちらの神経を逆撫でし続ける。
「コイツおもしれえんだぜ?でけえトラウマ抱えててさ、それにフタして逃げてんだよ。しかもそのトラウマに関係した地縛霊の多い事、利用するネタ多すぎっつーか?何かもうこっちとしてはカモがネギと醤油背負って目の前に転がってるから美味しく頂いちゃいましょうって感じだよねー」
 そこまで言い切ると、夢魔は愉快でたまらないと言った風に腹を抱えて笑いだす。――もはや十分だった。
「そうか。――残念だが暴挙も此処までにしてもらおう」
 低く呟いた伊知郎が肉薄し、渾身の黒影剣を放つ。
「何が料理よ、そういう姑息な手段嫌いよ。勝負は正々堂々とでしょ?」
「そういう事だ。……選んだ相手が悪かったと、自分の運を恨みな」
 嘉凪・綾乃が吹雪を巻き起こし、風雪の中駆け抜けた久臣が回転の勢いを乗せた強烈な蹴りを浴びせる。
「うわわわわ!?何だ何だ、危ねえなー!」
「……黙れ……正に仇なす者よ、去れ!」
 軽い口調を崩さないながらも慌てて回避する夢魔へ、更にフォアの尾獣牙による追撃が飛ぶ。その直後に飛来したのは、見えない衝撃波。
「許さない……鋼誠くんに纏わりつく夢魔……出ていけ!」
 さすがに避けきれなかった夢魔が「うお!?」と情けなく叫びながら吹き飛ぶ。
「ここに貴様の場所はない。消えてもらおうか」
「去りなさい。さもなくば、この場で討ちます…!」
 最後に恭一が魔弾の射手を使用し魔法陣を生成し、その隣では姫香が強大なエネルギーの風を纏う。2人が凄むと、さしもの夢魔も少々及び腰となっていった。
「オイオイ、冗談じゃねえ……三十六計逃げるに如かず、ここはずらからせてもらうか!……だが覚えとけ?こんな美味しいヤツ、ほっとくわけがねえ。俺は絶対に戻ってくるからな、追い出そうったって無駄だぜ!ひゃははははははは……」
 夢魔は捨て台詞と不快な高笑いを残し、その場から去った。

 今回は深追いはせず撃退にとどめるというのが総意であったため、取りあえず目標は達した。しかしそれは根本的な解決にはなっておらず、事実夢魔は再び現れると宣言した。
 一度体勢と作戦を整え、再び夢魔に挑む必要があるだろう。今度こそ、赤く紅く緋い夢から彼を解放するために――

・・・

逃げられない土蜘蛛への対処…攻略成功!
破壊する土蜘蛛への対処…攻略成功!
夢魔への対処…攻略成功! 夢魔は逃亡…
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このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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