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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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追記にリプレイがあります。
2600文字強、けっこうライトな感じにまとまりました。

・・・

●ある日の学校の昼下がり
 新学期が始まって少し経ち、気候も穏やかになった頃のある日。
 授業の終了と昼休みの開始を告げるチャイムが鳴るのを聞き、鬼頭・鋼誠(鬼鋼蜘蛛の吼切・b70561)は大きく伸びをする。
 そして昼食の入った鞄を持ち、いずこかへと消える鋼誠。
 同時刻、他の場所でも同じように移動をしている者たちがいた。その数、3人。
「……まさか、皆に料理をお披露目する事になるとは」
 予想外だった、と何やら神妙な顔で呟く功刀・伊知郎(深紅の錬士・b65782)。
「でも、持ち寄ってって初めてでワクワクするね」
 その隣で楽しそうな顔をしているのは嘉凪・綾乃(緋楼蘭・b65487)。
「うーん、ちょっと憂鬱かも……」
 別方向から、複雑な顔で溜息を吐きつつ歩いてくる渡会・綾乃(鬼鋼蜘蛛の巫女・b74204)。

 学園内某所。4人の『お弁当交換会』が、始まろうとしていた。

●本日のメニューはこちら
「んじゃま、披露といくか」
 言いだしっぺの俺から、と弁当箱を開いたのは鋼誠。その中には卵とカニ風味かまぼこ入りの炒飯、焼売、麻婆茄子に似た茄子とピーマンの炒め煮、春雨とキュウリを胡麻だれで和えたものと中華風の料理が並び、添えられたミニトマトの赤が鮮やかさをプラスする。
「では私も」
 そう言って伊知郎が取り出したのは、キフリと呼ばれる塩味のパン、ブイヨンで煮込んだロールキャベツ、そしてパプリカーシュ・チルケと呼ばれる、鶏肉のパプリカ煮込み。見た目にも温かみのある、ハンガリー風のランチだ。
「私のはこんな感じ」
 嘉凪・綾乃が弁当箱を開けると、まず目に入ったのはきのこがふんだんに使われた炊き込みご飯のおにぎり、そして秋刀魚の甘露煮。他にも旬の具材を用いた和風のおかずが並び、色使いが秋らしく、かつ優しげな雰囲気に包まれている。
「私のは……あんまり美味しくないかもだけど」
 と遠慮がちに前置きし、少し机の端よりの位置で開かれた渡会・綾乃の弁当箱。その中身は……成程、形の少し崩れた卵焼きや、見たところ焼き過ぎた感のある鰯、若干色の濃い煮物と、どこかしら失敗しているようにも見える。しかし、卵と葱を混ぜ込んだ焼き飯はきれいにできている。おかずの方も、味はどうだろうか。
「おう、よりどりみどり、どれもなかなか美味そうだ。どんな味がするのか、楽しみだな!」
 鋼誠のそんな一言と共に、4人は一斉に笑顔で手を合わせた。
「いただきます!」

●それでは試食の時間です
「……悔しい」
 開口一番、そんな事を言った嘉凪・綾乃。
「何が?」
「鋼誠のご飯が美味しいのは予測済み……だけど悔しいって言ってるの」
 鋼誠の焼売にたれビンの酢醤油をかけながら、嘉凪・綾乃が頬を膨らませそんな事をこぼす。
「美味いか?そりゃ良かった、気合い入れて作った甲斐があったぜ」
 笑う鋼誠はどこ吹く風といったところ。伊知郎や渡会・綾乃もおかずをつまみながら、各々感想をもらす。
「ああ、確かにこれは美味しいものだ」
「うん、この麻婆茄子みたいなのとか特に…鋼誠くん、お料理上手だよね」
「ああ、その炒め煮はかなりこだわって味付けをしたからな。……ただ、そこまで上手かね?料理するのは好きだが」
 確かに、その茄子の炒め煮は彼の料理の中でも非常に美味しく、レトルト不使用ながら舌に馴染むその味加減は絶妙と言えるのだが……自覚無しとは恐ろしいものである。
 その様子を見て、嘉凪・綾乃は軽く溜息をひとつ。
「さすが料理人。後でレシピ教えて?」
 れしぴ?と首をひねる鋼誠であった。

「……なんか悔しい。彼女としての立場がないんですけど」
 再び悔しがる嘉凪・綾乃。彼女が食べているのは伊知郎のロールキャベツだ。柔らかくブイヨンの味がしみ込んだロールキャベツは、さながら大衆的な味といったところか。
「うん、美味しい。誰に食べさせても、美味しいって言ってもらえそう」
「だな、丁寧に細かく味付けされてる。細やかな料理だな」
 パプリカーシュ・チルケをつまむ渡会・綾乃と鋼誠も顔を綻ばせる。
「そう言ってもらえると嬉しいな。だが――」
 ふと、何やら拗ねている嘉凪・綾乃の方を見る伊知郎。よく見ると、嘉凪・綾乃の持ってきた弁当箱は彼から何となく遠ざけられている。
「――俺は、君の作る料理の方が気持ちが篭っていて好きだが?」
 そう言って、遠ざけられた弁当箱から炊き込みおにぎりを持っていく伊知郎。妙に爽やかに見える微笑みがにくい男である。……もちろん言われた当人は恥ずかしいやら何やらでそれどころではないが。
「綾乃ちゃんのお弁当、優しい味がする」
 それを見てふふっと笑いながら、秋刀魚の甘露煮を食べてそんな感想を述べる渡会・綾乃。そして、
「ふむ、何か食べ慣れた感じがするな。こういうの、お袋の味って言うのか?」
本人一押しと言う炊き込みおにぎりを頬張る鋼誠がポツリとこぼす。ふわりときのこが香る優しい味の炊き込みご飯は、まさに日本の母の味と言っても過言ではないだろう。……2人の感想を聞いていた伊知郎が、どこか嬉しげなのは気のせいだろうか。

「皆手が込んでるなぁ、美味しい」
 不意に、渡会・綾乃が呟く。
「やっぱり皆流石、って感じだね。……もっと私も練習しなきゃ」
 さて、そんな渡会・綾乃の弁当にも手が伸びていく。
「そういえば綾乃は料理苦手っつってたが……どうよ?」
 鋼誠の言葉に、困った風に首をかしげる渡会・綾乃だが、
「え、でも美味しいよ?味とか焼き具合とかしっかりしてるし」
「そうだな。渡会は謙遜しているようだが、良い料理だと思うぞ」
という嘉凪・綾乃と伊知郎の言葉に「そ、そうかな?」と少し安堵の表情を見せる。
「ああ、この焼き飯なんか上手くできてるじゃねえか」
「あ、うん。それは結社で練習したから、少し自信あるんだ」
 成程、と頷いた鋼誠は、まだ微妙な表情をしている渡会・綾乃に笑いかける。
「料理の味って、心次第なんだぜ。多少失敗してても、心がこもった料理って美味いもんなんだ」
 その言葉に、少し表情が晴れる渡会・綾乃。その様子を見て、嘉凪・綾乃がふと何か思いついたような笑みを見せる。
「ねえ、綾ちゃん?」
 耳を貸せ、のジェスチャー。顔を寄せた所で、こっそり一言。
「鋼誠にあーんってしてみたら?」
「……え?」
 渡会・綾乃は一瞬固まり、続いて頬を染め鋼誠の方をちらちら。それを見た鋼誠は怪訝な顔をしている。
「えっと……鋼誠くん?」
 少し迷って、でもやがて意を決したように。
「あ、あーん……」
 目を合わせられない渡会・綾乃。箸を持ったまま固まる鋼誠。2人を見て何やらご満悦な嘉凪・綾乃。そして――
「……こんな風に食事をするのも、悪くない」
――珍しく穏やかに微笑んだ伊知郎は、誰にともなく呟くのだった。

・・・

冒険結果:成功!
死亡者:無し
重傷者:無し

・・・

あとがき
どうも、偽MSの蛍月です。
いかがだったでしょうか?毎度毎度、我ながらパッとしない感じでガクガクブルブルですが(汗)

今回、プロローグ→お弁当紹介→試食(鬼頭→嘉凪&功刀→渡会)という流れになりました。
嘉凪さんと功刀さんがセットになったのは、プレイング中の「お弁当の内容」の記述と「試食中の行動」のバランス的に、セットにした方が書きやすかったからで、決して他意は…無いと信じたい…!

それにしても、これ書いてる最中よだれと腹の虫が酷かったです。
頭に見た目のイメージとかおおよその味とかばんばん出てきました。ヤバいですコレ。
…4人分のミニシナリオにして助かった…!

さて。シナリオとしてはここで終了ですが…偽シナならではのお楽しみ、『その後のお話』を書こうと思っています。
多分数日中には書きますよ、本当にオマケなので(苦笑)

それでは、ご参加くださった方。読んでくださった方。
本当に、ありがとうございました!
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自己紹介:
このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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