蛍：…お帰り。

鬼：…ただいま。

・・・

蛍：…随分と荒れてたネ？

鬼：…見てたのか。悪趣味な奴め。

蛍：まあまあ(笑)
　　…で、どうしたのさ？

鬼：…別に、イライラしただけさ。大陸妖狐のやり方にな。
　　…それこそ、本当に一人ででも殴りこみに行きたいくらいにな。

蛍：本当にそれだけ？

鬼：…前にさ、アイツの墓参り、行っただろ？あん時は、そのつもりは無かった…つもりだった。
　　…本当は、どっかで思ってたかもな。ヤツに会ったら、ぶちのめしてやりたいって。

蛍：………

鬼：…実はむしろ、あの時はそのために山に行ったんじゃないかって。
　　…そう考えたらさ、何か急に頭ン中こんがらがっちまって。…どうしちまったんだろうな？

蛍：…悔しかったんじゃないかな？

鬼：？

蛍：自分の手の届かない所で、誰かが苦しんで…下手を打てば、人死にが出る。
　　君は、それが堪らなく悔しいはずだ。

鬼：…ああ。

蛍：…大陸妖狐の事だから、あの神将の子も今頃は石片だろうね。
　　…君は認めたくないだろうケド、これが現実。君は、それが許せないだろう？

鬼：…ああ！

蛍：怒りは負の力だ。…でも、方向を間違えなければ、正の力にできる。
　　…鋼誠君、僕は止めないよ？

鬼：…っ…蛍月。ありがとな。

蛍：いえいえー。さて、僕はそろそろ寝ようかな…

鬼：おう、俺も寝るわ。お休みー。

・・・

…やれやれ。保護者ってのも、大変だな…
しかしまあ、あの時はオチがついて良かった。空気の読める窓枠だったな…(笑)