TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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―時は過ぎ。
時計が巡るように、また、運命の時が―
時計が巡るように、また、運命の時が―
・・・
―某県、某所。風に吹かれ埃の舞う廃ビルに、薫とアニキは居た。
「…久しぶりだね。アニキ、覚えてる?」
薫の問いに、アニキは「忘れるものか」とでも言いたげにカタ、と骨を鳴らす。
―二人にとって、忘れられない場所。薫とアニキの、ターニング・ポイント。
薫がその運命予報を聞いたのは、偶然か必然か。
「場所は●●県の●●ビル、ビルは既にゴーストタウン化しています。最上階には、炎を纏った車輪の中央に男の顔がついた…」
「!!」
全てに覚えがある。フラッシュバックしたのは、あの日の光景。
放課後、準備もそこそこに運命予報士のもとへ向かうと、そこには運命予報士がぽつんと待っていた。
「あ、良かった!同時に重大な事件がいくつかあったみたいで、なかなか能力者さんが来てくれなくて…」
「…その運命予報、詳しく聴かせて…」
話を聴いた薫は、少し考えてこう答える。
「…心当たりがあるんだ…僕とアニキで、行かせてくれないかな…?」
「え、でも…」
「必要なら、自分で仲間を探すし…どうしても心配なら、後から他の人を送ってもいい…だから、お願い…」
幸か不幸か、その後他の能力者は送られなかった。
―送られなかったが、どこで聞いてきたのか、見覚えのある三人が薫のもとを訪れる。
「お、いたいた。よう、柚之葉」
軽い調子で手を挙げる鋼誠。その後ろには、久臣と彩華。
「…鬼頭さん。久臣君に、河瀬さんも…」
「薫がここに向かったって、小耳に挟んでな」
「調べたところ、ここは既にゴーストタウン化しているようです。目的は存じ上げませんが、柚之葉様と柚之葉様のお兄様だけでは危険なのでは?」
彩華の意見に、薫は素直に頷く。
「そうかもね…何とかするつもりではいたけど…仲間が多い方が、安心かな…アニキは、それでも良い?」
カタ、と骨を鳴らすアニキの意志は、薫以外には汲み取れない。だが、少なくとも肯定らしいという事は薫の態度で分かった。
「それじゃ、行こうか…目的は、追々話すね…」
「つっても、俺は大体分かるんだけどな」
最上階までの行程。薫達に襲いかかるゴーストを退けつつ、たまに交わす会話の話題は薫の目的に触れる。
「お前、ここで輪入道みたいなのと戦った事あるだろ?」
鋼誠の問いに、薫は合点がいったように頷く。
「あの時の、鬼面の人…やっぱり、鬼頭さんだったんだね…」
「薫、鋼誠さん、その『輪入道みたいなの』っていうのは?」
久臣の問いには鋼誠が答える。
「輪入道って妖怪はわかるな?火のついた車輪の軸んトコにオヤジの顔がついた、変なヤツ」
比較的ポピュラーな妖怪の一種であるが、それに似た地縛霊がこのビルに居るのだという。
「柚之葉が銀誓館に来る前、ここでヤツに襲われてた。で、たまたま全国行脚中の俺と養育係が助けた、と…まあ、ちっと遅かったみたいだが」
鋼誠がアニキをちら、と見る。物言わぬ彼は「気にするな」とでも言いたげに見えた。
「その『輪入道みたいなの』はその後?」
「逃げた…後で、戻ってきたみたいだね…」
彩華の問いには薫が答えた。その目が、少し遠いものに見える。
「…今更復讐っていうのも、とは思うよ。でも…けじめは、つけないとね…」
少しの思考の後、視線を現在に戻した薫は、ポツリとそう言った。
やがて。
最上階のとある部屋に辿りついた彼らを待っていたのは、醜く歪んだ中年男性の顔を持つ車輪。その輻は、2本が折れている。
『ダレダ!ダレダダレダダレダ!』
車輪が耳障りな声で叫ぶ。一行は怯みこそしないものの、そのあまりにも醜い相貌と声に顔を顰める。
『ココ、ワガヤ!ドソクデハイル、ユルサナイ!ワガヤアラス、ユルサナイ!』
車輪の喚き散らす声が辺りに響く。そして―
『車輪の、騒がしいぞ…』
『…お、おい、ヒトだ…』
『ヒトだ…食事だ!久しぶりの食事だ!』
―車輪の声に気付いたゴースト達が、次々と部屋に集まってくる!
「っ!!」
「オイオイ、どっからこんなに湧いてきたんだ?」
入口を埋め尽くすゴースト達が部屋に溢れ、徐々に薫達を囲んでいく。
「…久臣様」
「やるしかない、か」
意を決したように武器を構える。通常の依頼やゴーストタウン探索でも、これだけの数を相手にした事があっただろうか―そう思わせる程のゴースト達に向け、怖じることもなく。
「…薫」
久臣が、構えをとったまま低い声で薫に呼び掛ける。
「邪魔なのは、俺が全部薙ぎ祓う。薫は、本命だけ見とけばいいからな」
全員で背中合わせになるように立っているため、互いの顔は見えない。それでも、互いの意思ははっきりと伝わる。
「ん…頼りにしてるね…」
「彩華、そういう訳だ。俺の事はいいから、今日は薫とアニキさんを手伝ってやってくれ」
「承知致しました」
構えをずらす彩華へ、薫は拒むでもなく「ありがとう」と一言。
「鋼誠さん、できれば鋼誠さんも…」
「あー、柚之葉に余裕が無さそうならそうするつもりだったが…」
続けて鋼誠へ声をかける久臣に、鋼誠は苦笑を返す。
「河瀬がいるなら大丈夫だろ、俺はしばらくこっちだ。―こっちも、案外大変そうだぜ?」
そう言って鬼面を被り直す鋼誠。久臣は少し考えて「…そうですね」と返事をする。
『ウタゲ!ウタゲ、ヒラク!ツブシテ、コロシテ、ミナ、タベル!』
車輪が再び耳障りな喚き声をあげると、ゴーストの群れが一斉に叫ぶ。
―生か死か、命がけの宴が始まった。
(つづく)
―某県、某所。風に吹かれ埃の舞う廃ビルに、薫とアニキは居た。
「…久しぶりだね。アニキ、覚えてる?」
薫の問いに、アニキは「忘れるものか」とでも言いたげにカタ、と骨を鳴らす。
―二人にとって、忘れられない場所。薫とアニキの、ターニング・ポイント。
薫がその運命予報を聞いたのは、偶然か必然か。
「場所は●●県の●●ビル、ビルは既にゴーストタウン化しています。最上階には、炎を纏った車輪の中央に男の顔がついた…」
「!!」
全てに覚えがある。フラッシュバックしたのは、あの日の光景。
放課後、準備もそこそこに運命予報士のもとへ向かうと、そこには運命予報士がぽつんと待っていた。
「あ、良かった!同時に重大な事件がいくつかあったみたいで、なかなか能力者さんが来てくれなくて…」
「…その運命予報、詳しく聴かせて…」
話を聴いた薫は、少し考えてこう答える。
「…心当たりがあるんだ…僕とアニキで、行かせてくれないかな…?」
「え、でも…」
「必要なら、自分で仲間を探すし…どうしても心配なら、後から他の人を送ってもいい…だから、お願い…」
幸か不幸か、その後他の能力者は送られなかった。
―送られなかったが、どこで聞いてきたのか、見覚えのある三人が薫のもとを訪れる。
「お、いたいた。よう、柚之葉」
軽い調子で手を挙げる鋼誠。その後ろには、久臣と彩華。
「…鬼頭さん。久臣君に、河瀬さんも…」
「薫がここに向かったって、小耳に挟んでな」
「調べたところ、ここは既にゴーストタウン化しているようです。目的は存じ上げませんが、柚之葉様と柚之葉様のお兄様だけでは危険なのでは?」
彩華の意見に、薫は素直に頷く。
「そうかもね…何とかするつもりではいたけど…仲間が多い方が、安心かな…アニキは、それでも良い?」
カタ、と骨を鳴らすアニキの意志は、薫以外には汲み取れない。だが、少なくとも肯定らしいという事は薫の態度で分かった。
「それじゃ、行こうか…目的は、追々話すね…」
「つっても、俺は大体分かるんだけどな」
最上階までの行程。薫達に襲いかかるゴーストを退けつつ、たまに交わす会話の話題は薫の目的に触れる。
「お前、ここで輪入道みたいなのと戦った事あるだろ?」
鋼誠の問いに、薫は合点がいったように頷く。
「あの時の、鬼面の人…やっぱり、鬼頭さんだったんだね…」
「薫、鋼誠さん、その『輪入道みたいなの』っていうのは?」
久臣の問いには鋼誠が答える。
「輪入道って妖怪はわかるな?火のついた車輪の軸んトコにオヤジの顔がついた、変なヤツ」
比較的ポピュラーな妖怪の一種であるが、それに似た地縛霊がこのビルに居るのだという。
「柚之葉が銀誓館に来る前、ここでヤツに襲われてた。で、たまたま全国行脚中の俺と養育係が助けた、と…まあ、ちっと遅かったみたいだが」
鋼誠がアニキをちら、と見る。物言わぬ彼は「気にするな」とでも言いたげに見えた。
「その『輪入道みたいなの』はその後?」
「逃げた…後で、戻ってきたみたいだね…」
彩華の問いには薫が答えた。その目が、少し遠いものに見える。
「…今更復讐っていうのも、とは思うよ。でも…けじめは、つけないとね…」
少しの思考の後、視線を現在に戻した薫は、ポツリとそう言った。
やがて。
最上階のとある部屋に辿りついた彼らを待っていたのは、醜く歪んだ中年男性の顔を持つ車輪。その輻は、2本が折れている。
『ダレダ!ダレダダレダダレダ!』
車輪が耳障りな声で叫ぶ。一行は怯みこそしないものの、そのあまりにも醜い相貌と声に顔を顰める。
『ココ、ワガヤ!ドソクデハイル、ユルサナイ!ワガヤアラス、ユルサナイ!』
車輪の喚き散らす声が辺りに響く。そして―
『車輪の、騒がしいぞ…』
『…お、おい、ヒトだ…』
『ヒトだ…食事だ!久しぶりの食事だ!』
―車輪の声に気付いたゴースト達が、次々と部屋に集まってくる!
「っ!!」
「オイオイ、どっからこんなに湧いてきたんだ?」
入口を埋め尽くすゴースト達が部屋に溢れ、徐々に薫達を囲んでいく。
「…久臣様」
「やるしかない、か」
意を決したように武器を構える。通常の依頼やゴーストタウン探索でも、これだけの数を相手にした事があっただろうか―そう思わせる程のゴースト達に向け、怖じることもなく。
「…薫」
久臣が、構えをとったまま低い声で薫に呼び掛ける。
「邪魔なのは、俺が全部薙ぎ祓う。薫は、本命だけ見とけばいいからな」
全員で背中合わせになるように立っているため、互いの顔は見えない。それでも、互いの意思ははっきりと伝わる。
「ん…頼りにしてるね…」
「彩華、そういう訳だ。俺の事はいいから、今日は薫とアニキさんを手伝ってやってくれ」
「承知致しました」
構えをずらす彩華へ、薫は拒むでもなく「ありがとう」と一言。
「鋼誠さん、できれば鋼誠さんも…」
「あー、柚之葉に余裕が無さそうならそうするつもりだったが…」
続けて鋼誠へ声をかける久臣に、鋼誠は苦笑を返す。
「河瀬がいるなら大丈夫だろ、俺はしばらくこっちだ。―こっちも、案外大変そうだぜ?」
そう言って鬼面を被り直す鋼誠。久臣は少し考えて「…そうですね」と返事をする。
『ウタゲ!ウタゲ、ヒラク!ツブシテ、コロシテ、ミナ、タベル!』
車輪が再び耳障りな喚き声をあげると、ゴーストの群れが一斉に叫ぶ。
―生か死か、命がけの宴が始まった。
(つづく)
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ここの管理人
HN:
蛍月
性別:
男性
自己紹介:
このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。
イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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