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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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―あの時だ。
あの時から、狂っていった―

・・・

 家に帰ってまず感じたのは、違和感だった。
 武術家としては半人前な薫は「違和感」としか思わなかったが―その日の柚之葉家は、気の流れなど「命の気配」が無かった。
「…?」
 台所、リビング、座敷、自室…どこを見ても、祖父も父も母も兄も見当たらない。皆道場かとも思ったが、祖父と父、兄はとにかく、母は道場へは滅多に行かない。
 何か、おかしい…そう感じながら荷物を下ろし、道場へ向かう薫。道場の入り口には、立ちつくす兄の姿。ようやく見つけた兄の姿に一度は安堵した薫も、微動だにしない兄に不安を覚える。
「アニキ…?」
「見るなっ!」
 声をかけながら、道場の中を覗こうとする薫。薫にやっと気が付き、声を荒げる兄。
 ―遅かった。
「あ…」
 薄暗い道場。
 床に広がる赤。
「あ、あ…」
 赤に浮かぶ―三人の、人影。
「あ…あああっ…!」

 薫が我を取り戻したのは、サイレンの音が聞こえてからだった。
 門下生への対応や警察・救急への電話など、兄がどうにかこなしたらしい。薫はと言うと、よく分からないうちに自室で座っていた。
「薫、入るぞ」
 兄の声。「どうぞ」とどうにか声を絞り出した薫は、入ってきた兄の憔悴した顔を見て、自分もこうなのだろうか、と少しズレた事を考えていた。
「…大丈夫か?」
「……うん、何とか」
 兄が溜息をつく。大丈夫なわけがないと分かっているのだから、コミュニケーションがとれただけでも安心したのだろう。
「今、警察の人たちが色々調べてて…多分、俺達も後で何か訊かれると思う。他にもやらなきゃいけない事が色々あるから、しばらくは慌ただしいぞ」
 頷く薫。そんな薫を見て、少し間をおいてから兄が口を開く。
「…それで、落ち着いたら…薫に言っとかなきゃいけない事があるんだ」
「言っとかなきゃ、いけない事…?」
 憔悴した顔の兄の眼は、尚も輝きを失っていない。ただ少し、以前のような輝きではない…薫は、そう感じていた。

 記憶が鮮明なのは、そこまでだった。

(つづく)
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このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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