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TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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それは、ある日のこと。
ある日常の、非日常的なひとコマ。

※別背後さんのお子さんが出てきますが、了承済みです。
性格等「これは違う」ってのがあったら速攻でご報告ください(滝汗)了承頂きました!やっほい!ありがとうございました!

・・・

 ―黴と埃と朽ちた木と、何か腐ったもの、そして鉄錆のような臭い。
 常人なら普通でいられないような臭気漂う部屋の中、薫は物言わぬ骸骨を連れ、友人の少年と共に身体を休めていた。
「アニキ、もう良いよ…ありがとう」
 地に膝をついていた、アニキと呼ばれた骸骨がその祈るような仕草を辞め、その場に立ちあがる。その身を小さくカタ、と鳴らすその佇まいは、どことなく薫を気遣っているように見えた。
「大丈夫。ありがとね…」
 薫はそう言うと、一息ついて意識を集中し始める。彼の纏うパーカーには無数の傷がつきボロボロになっていたが、やがてそれらは意思を持つかのように再生していった。
「薫、大丈夫か?」
「うん…身体も痛くないし、防具もこの通りだから…」
 そうか、と声をかけた少年が安堵の息をもらす。
「―久臣様」
 その少年に、部屋の向こうから現れた少女が声をかける。久臣と呼ばれた少年が、声の方へ振り向いた。
「彩華か。どうだった?」
「はい、この先が最深部のようです。…そこで強力な気を感じました、恐らくこの建物の主に相当する地縛霊がいるかと」
「分かった。彩華も、少し身体を休めてくれ。全員の準備が整ったら、行こう」
 久臣に彩華と呼ばれた少女は「では」と一言告げ、適当な所へ腰を下ろした。
「…嘉凪さんは」
「うん?」
 その様子を見ていた薫が、不意に口を開く。
「…嘉凪さんは…優しいお姉さんや、信頼できる人がいて、いいね…」
 それを聞いた久臣は、「そうか?」と首を傾げる。
「それを言ったら薫にだって、優しくて信頼できるアニキがいるじゃないか」
「うん…僕には、アニキがいる。…でも」
 言葉を少し切る薫。その僅かな間はどこか、言葉を選んでいるように感じられた。
「僕には、アニキがいるけど…アニキは、“こっちにはいない”から…」
「…そうか」
 久臣は、何となく「しまった」と思った。どんなに優しく、信頼のおける者でも、アニキには決して超えることのできない薫との隔たり―生死の壁が存在するのだ。
「…やっぱり、ちょっと羨ましいかなって…思う事は、あるよ。でも…」
「でも?」
「僕とアニキは、心で、魂で繋がってるから…我慢できないほど、寂しくもないけどね…」
 ほとんど動かない、薫の表情。その中に、ふと哀愁に満ちた色が覗いた気がして―
「―だけど、薫」
 久臣が、口を開く。何を言えばいいのか―答えは内にあるのに、あるはずなのに、分からない。
「薫には、俺や綾ねえや、鋼誠さんや…クラスの皆や結社の皆、学園の皆がいるだろ?」
 だけど。その心を覆う氷を、少しでも溶かしたくて。
「アニキの分の寂しさを埋めるには至らないかも知れない。でも…それでも、薫を想ってくれる仲間が、こんなにいるんだ。…それじゃ駄目か?」
「…そうかもね…」
 薫の表情が、どこか柔らかくなったように感じた。言いたい事は、伝わったのだろうか。
「…休憩も十分だし…そろそろ、行こうか…」
「…ああ、そうだな」
 薫が、白銀の鎖鎌を手に立ち上がる。その心に、凍てつく刃を宿して。
 久臣が、藍の鮮やかな青龍刀を携えて立ち上がる。その拳に、衛士としての力を握りしめて。
「久臣様?柚之葉様の仲間に、私を忘れず入れておいて欲しいのですが」
 どこか冗談めいた彩華の声と共に、彼らはまた歩き出した。

・・・
いつか書いてみたかった、薫君の持つ価値観―「アニキはいるけど、いない」。
それは彼にとって枷なのか、それとも糧なのか。

それでも、薫君にはまだまだ沢山の仲間が、『家族』がいるから。
それだけは、忘れないで。

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このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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