―まただ。
また、居なくなった。

・・・

「…コマンダーは、確実な儀式阻止を狙う方針で行くつもりらしい」
「…ってことは…巡礼士さん達は…」

どこからか、そんな声が聞こえた。
―そう、確実な方針…それは、巡礼士や運命予報士を諦めざるを得ないような方針。

確かに、その方が確実だ。
時には大を得るべく、小を切らねばならない。
今が、その時なのだろう。なのだろうが―

「―クソが」

納得がいかない。
頭に血が上る。休憩も済んでいないのに、今すぐにでも敵中へ突っ込みたい衝動に駆られる。

―焦るな。落ち着け、落ち着け。
今出ても、役に立たねえ。
落ち着け、落ち着け―

「―以上が、コマンダーからの伝令です」

４へ戦力集中。
２・５・１２は逆侵攻阻止。

…ああ、何だ。
簡単じゃねえか、選ぶまでもねえ。
きっと今、俺は笑っているんだろう―

「俺も１２、巡礼士の居るトコに行くぜ。―逆侵攻阻止、だろ？」

・・・

人死には、慣れない。
いつの日も、こういう事があると寂しいものだ。
アイツ、死んじまったんだな―それ以上、思考が進まない。

―なあ。また一人、仲間が逝っちまったよ。
出来たら、迎えてやってくれねえか？
―なあ。
そっちからは、こっち、どう見えてんだよ？
―なあ。

―この学校は、馬鹿ばっかりだよ―

・・・

―ええ、やっぱ鋼誠君バージョンも書かないとと思いまして。
逆侵攻阻止を口実に巡礼士たちを助けに行ったところと、事後ですネ。

…鋼誠君も言ってますが、この学校は傍目から見ると『馬鹿』ばかりなのかも知れませン。
益より情を取る者。
理屈で分かってても信念に従う者。
往生際の悪さを貫く者。

だからこそ、この学校は素敵です。大好きです。