ある夜の話である。
「鋼誠も食べる？伊知郎の料理って美味しいよ？」
　と言うのは嘉凪・綾乃（緋楼蘭・b65487）。
　ある出来事から、彼女は今度功刀・伊知郎（深紅の錬士・b65782）にお弁当を作ってもらう事にしたのだが、折角だからとそんな提案をしてみたのだ。それに対し、
「ほほう、美味いのか。それは興味あるな」
と返す鬼頭・鋼誠（鬼鋼蜘蛛の吼切・b70561）。
「うんうん、美味しいよー。肉料理は負けそうな気がする」
「私は綾乃の料理の方が好きなのだが」
　へー、と感心する鋼誠の隣で、
「私も先輩のお料理食べてみたいかも。ひょっとしたらご先祖さまも食べてたかもしれないし」
と渡会・綾乃（鬼鋼蜘蛛の巫女・b74204）も手を上げる。
「うん、皆でお弁当食べたりとか、きっと楽しいよ！」
　鋼誠と渡会・綾乃の反応を見て何やら楽しそうな嘉凪・綾乃と、
「……何やら、私の料理に関して期待が高まっている様だが、あまり期待しないでくれ？」
と思わず苦笑した伊知郎。その一方で、「ふむ」と何やら考えるしぐさの鋼誠。
「皆で弁当……か。良いかもな」
　一つ頷き、皆に向かってこの一言。
「皆で弁当、楽しそうじゃねえか。何なら、今度の昼休みにでもやるか？」

　昼休みの時間帯を利用した、お弁当の交換会。中身や味はそれぞれの個性が出るので、楽しくなる事は間違いないだろう。場所は教室か、晴れていれば屋上などで食べても気持ちいいかもしれない。
　注意したいのは時間が昼休みという点だ。銀誓館学園の昼休みは４５分しかない。場所にあまりこだわるのも大変だし、持ちこむお弁当の量が多すぎれば時間内に食べ終わる事が出来なくなってしまうだろう。

「ま、あんま拘りすぎなきゃ大丈夫だろ。どんな弁当が食べれるか、楽しみだな！」