TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
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―今でも、たまに夢で見る。
あの時は、まだ―
あの時は、まだ―
・・・
ふと気がついた時には、彼はその家族の一員であった。
町に、小さな武術の道場を開く旧家―柚之葉家。彼はいつからかその一員で、それ以前の記憶はない。
幼少の頃の記憶に乏しい者は、少なくないのかもしれない。だが、彼の場合は―言うなれば、まるで刃物で切られたかのように、すぱりと記憶が途絶えていたのだった。
だが、彼にとってはそんな事はどうでもいい事だった。
時に厳しく、時に優しく、逞しく頼りになる家族。祖父、父、母、兄…その中央に居る彼は、それだけで十分過ぎる幸せを抱き、自身の出生や記憶について気にする事は無かった。
「―おる。薫。起きろ、朝だぞ」
「…ん…」
その日も、いつもと同じように始まった。
「おはよう、アニキ」
「ああ、おはよう。もう爺ちゃんも父さんも準備出来てるからな、早く来いよ?」
「うん、すぐ行く」
いつも通りの朝。顔を洗って、道着に着替えて、道場へ。
「おはようございます」
道場に、祖父に、父に、兄に礼。
「うむ、おはよう」
その後は準備体操をして…基礎練習。
「薫は鎖鎌や薙刀が上手いからな。その辺りを考えてやると良いだろう」
「はい、ありがとうございます」
無手もなかなかだが、と付け足す祖父に、薫は明るく返事を返す。
「薫の場合はその前に、基礎体力つけなきゃだけどな?」
「これ、お前は自分の事に集中せい」
兄をたしなめる祖父。その光景が何だか可笑しくて、薫はつい笑ってしまうのだった。
「おはよう。朝ごはん、できてるわよ」
朝の運動が終われば、朝食を食べ学校へ向かう。
「…ごちそうさま」
「…薫、もっと食ったらどうだ?」
「うーん…でも、おなかいっぱいだから」
何処か心配げな兄の言葉に苦笑しながら、自室へ向かう。支度をすれば、後は学校へ行くだけ。
いつも通りの朝だった。
本当に、いつも通りの朝だった。
(つづく)
ふと気がついた時には、彼はその家族の一員であった。
町に、小さな武術の道場を開く旧家―柚之葉家。彼はいつからかその一員で、それ以前の記憶はない。
幼少の頃の記憶に乏しい者は、少なくないのかもしれない。だが、彼の場合は―言うなれば、まるで刃物で切られたかのように、すぱりと記憶が途絶えていたのだった。
だが、彼にとってはそんな事はどうでもいい事だった。
時に厳しく、時に優しく、逞しく頼りになる家族。祖父、父、母、兄…その中央に居る彼は、それだけで十分過ぎる幸せを抱き、自身の出生や記憶について気にする事は無かった。
「―おる。薫。起きろ、朝だぞ」
「…ん…」
その日も、いつもと同じように始まった。
「おはよう、アニキ」
「ああ、おはよう。もう爺ちゃんも父さんも準備出来てるからな、早く来いよ?」
「うん、すぐ行く」
いつも通りの朝。顔を洗って、道着に着替えて、道場へ。
「おはようございます」
道場に、祖父に、父に、兄に礼。
「うむ、おはよう」
その後は準備体操をして…基礎練習。
「薫は鎖鎌や薙刀が上手いからな。その辺りを考えてやると良いだろう」
「はい、ありがとうございます」
無手もなかなかだが、と付け足す祖父に、薫は明るく返事を返す。
「薫の場合はその前に、基礎体力つけなきゃだけどな?」
「これ、お前は自分の事に集中せい」
兄をたしなめる祖父。その光景が何だか可笑しくて、薫はつい笑ってしまうのだった。
「おはよう。朝ごはん、できてるわよ」
朝の運動が終われば、朝食を食べ学校へ向かう。
「…ごちそうさま」
「…薫、もっと食ったらどうだ?」
「うーん…でも、おなかいっぱいだから」
何処か心配げな兄の言葉に苦笑しながら、自室へ向かう。支度をすれば、後は学校へ行くだけ。
いつも通りの朝だった。
本当に、いつも通りの朝だった。
(つづく)
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ここの管理人
HN:
蛍月
性別:
男性
自己紹介:
このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。
イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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