忍者ブログ
TW2:シルバーレインのキャラに関するページ。ピンとこなかった人は今すぐ戻った方が良いかと…
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

―今でも、たまに夢で見る。
あの時は、まだ―

・・・

 ふと気がついた時には、彼はその家族の一員であった。
 町に、小さな武術の道場を開く旧家―柚之葉家。彼はいつからかその一員で、それ以前の記憶はない。
 幼少の頃の記憶に乏しい者は、少なくないのかもしれない。だが、彼の場合は―言うなれば、まるで刃物で切られたかのように、すぱりと記憶が途絶えていたのだった。
 だが、彼にとってはそんな事はどうでもいい事だった。
 時に厳しく、時に優しく、逞しく頼りになる家族。祖父、父、母、兄…その中央に居る彼は、それだけで十分過ぎる幸せを抱き、自身の出生や記憶について気にする事は無かった。

「―おる。薫。起きろ、朝だぞ」
「…ん…」
 その日も、いつもと同じように始まった。
「おはよう、アニキ」
「ああ、おはよう。もう爺ちゃんも父さんも準備出来てるからな、早く来いよ?」
「うん、すぐ行く」
 いつも通りの朝。顔を洗って、道着に着替えて、道場へ。
「おはようございます」
 道場に、祖父に、父に、兄に礼。
「うむ、おはよう」
 その後は準備体操をして…基礎練習。
「薫は鎖鎌や薙刀が上手いからな。その辺りを考えてやると良いだろう」
「はい、ありがとうございます」
 無手もなかなかだが、と付け足す祖父に、薫は明るく返事を返す。
「薫の場合はその前に、基礎体力つけなきゃだけどな?」
「これ、お前は自分の事に集中せい」
 兄をたしなめる祖父。その光景が何だか可笑しくて、薫はつい笑ってしまうのだった。

「おはよう。朝ごはん、できてるわよ」
 朝の運動が終われば、朝食を食べ学校へ向かう。
「…ごちそうさま」
「…薫、もっと食ったらどうだ?」
「うーん…でも、おなかいっぱいだから」
 何処か心配げな兄の言葉に苦笑しながら、自室へ向かう。支度をすれば、後は学校へ行くだけ。
 いつも通りの朝だった。

 本当に、いつも通りの朝だった。

(つづく)
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
ここの管理人
HN:
蛍月
性別:
男性
自己紹介:
このブログを管理する者であり、柚之葉・薫(b68352)と鬼頭・鋼誠(b70561)と眞我妻・姫香(b76235)と玉城・曜子(b76893)の背後に当たる人。大体男2人に滅多打ちにされてる。
※このブログで使用されるキャラクターイラストは、株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』用のイラストとして、管理人『蛍月』が作成を依頼したものです。  イラストの使用権は管理人『蛍月』に、著作権は各イラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
カレンダー
12 2020/01 02
S M T W T F S
2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[01/09 嘉凪さん家の後ろの人]
[05/19 背後の人]
[05/19 朔望]
ブログ内検索
リンク(別窓展開注意)
バーコード
P R

Copyright © [ 雪蜘蛛忍法帳 ] All rights reserved.
Special Template : 忍者ブログ de テンプレート
Special Thanks : 忍者ブログ
Commercial message : [PR]